360度動画の編集やアーカイブについて実験 (Kodak SP360) [IT全般]
SP360を買った。かなり面白い!
360度動画が撮影できるコダックのSP360を買った。実はこの商品、1年以上前に発売されている。当時から、その存在は知っていたが、やっと購入したということだ。
なぜ、今になって購入したかと言うと、1番大きいのは、YouTubeが360度動画に対応したことである。360度動画には、以前から興味を持っていたが、1番大きなネックになっていたのか、どうやって、それを保存するかということ。なんといっても、動画のアーカイブは容量を消費する。今では、ものすごい量の動画を撮影するようになったので、それをどこに保存しておくかというのが、1番大きな問題になっていた。それを、画期的に解決したのか、昨年、Googleフォトが、無料で動画や写真を保存するサービスを始めたことだ。このおかげで、とりあえずいくらでも撮影しておいて保存し、後から必要に応じてて見るという、いわゆるアーカイブ的なことが気軽に出来るようになった。また、Googleフォトの凄いところは、その保存だけでなく、検索についても簡単にできるようになっているので、写真と動画をアーカイブする場所としては、これまでにない性能を備えている。このサービスのおかげで、動画に関しても安心して保存できるようになった。
360度動画は、カメラを向けている方向だけでなく、広くその空間自体をアーカイブとして映像化できるので、動画のアーカイブとしては非常に優れていると思う。ただ、魚眼カメラのようなレンズで撮影された映像をパソコンやスマホ側で処理して360度グルグルみられる映像に変換しないと、そのままでは見づらい。どうしても、専用のソフトやビューワーが必要になるので、保存や共有に対して面倒と思うことが多そうだった。
ところが、最近になって、360度動画や写真が急速に人気を集めている。リコーのシータの人気もその原動力だと思う。そんな中で、YouTubeが360度動画への対応を行った。これによって、YouTubeに動画を上げておけば、特に専用のソフトやビューワーを使わなくても、YouTube上で、ぐるぐるまわして動画を見ることができるようになった。もちろん、世界中の人に公開することもできるし、限定公開で、特定の人に見せることもできる。もちろん、YouTubeなので、無料でいくらでも保存することができる。そして、もう一つ面白いのが、スマホやタブレットのアプリでその映像を見ると、指でぐるぐる動かさなくても、スマホやタブレットの傾きに対応して、視点を変えることができるのだ。これは、VR的なことが簡単にできるようになった画期的なことだと思う。このことによって、急速に360度動画への興味が湧いてきた。
リコーの全天球と、コダックの半天球で悩んだが、動画の扱いやすさから、コダックのものにした。半天球ちょっとしか撮影できないが、どこかに置いて使う分には、地面の部分である下は、それほど重要ではないことが多いし、手軽に持ち歩いて、ポンと置いて撮影できるという点で使い勝手が良さそうだった。また、コダックのほうは、動画がそのままMP4の動画ファイルとして記録されるので、長時間の撮影が可能だし、編集などの映像のハンドリングが容易そうである。これは、写真から発達したリコーのシータと違って、アクションカムから発達したコダックならではである。
まだ、使い始めたばかりだが、かなり面白い。これは次世代のカメラを担う新しい出発点だと感じる。そこで、今現在、どこまでできるかについて、ちょっと実験してみることにした。
360度動画は、どこまで編集きるのか?
①Kodak SP360 で撮影した360度動画(編集実験用元動画)
Kodak SP360で撮影した動画ファイルを、そのままYouTubeにアップしたもの。
MP4形式で正方形の動画(1440×1440)が生成される。
最初、この映像ファイルをVideoStudio Pro X5で編集しようとしたのだが、「このビデオファイルのフレームサイズが設定と一致しないためトリムすることができません。」というエラーメッセージが出て編集できなかった。フレームサイズが対応していないよう。
②Kodak SP360 で撮影した動画をYouTube対応の360度動画に変換
Kodak SP360で撮影した動画ファイルを、Kodak SP360用に公開されているウィンドウズ用編集ソフトでYouTube対応の360度用動画に変換した。
YouTube上で、グルグルと動かすことが出来る。スマホのYouTubeアプリで見ると傾きに応じて動かすことも可能。
手に持って撮影したので、指が映ってしまった。撮影の仕方も検討する必要がありそう。
③Kodak SP360 のYouTube対応360度動画をVideoStudioで編集
Kodak SP360 で撮影した映像からYouTube対応360度動画を作成し、
それをVideoStudio Pro X5という編集ソフトで編集したもの。
映像のトリミング、クロスフェイド、モザイク、テロップなどを挿入してみた。
トリミングは、映像の切り出しに必要だし、クロスフェイドは場面転換でよく使う。
360度動画は、映る範囲が広いので、撮したくないものも映ってしまうことがあるので、モザイクもかけられるといい。また、説明などで、テロップが入れられるといいかなと。
最初、編集したものを元のサイズで書きだそうとすると1920×960という特殊なサイズのようで、また「このビデオファイルのフレームサイズが設定と一致しないためトリムすることができません。」と出て、できなかった。でも、YouTubeの360度動画は、アスペクト比が 16:9 に対応しているとのことなので、いわゆるフルHDのサイズ(1920 x 1080)で書き出した。
ただ、このままでは、YouTubeの360度再生に対応していない。
そこで・・・
④Kodak SP360 のYouTube対応360度動画をVideoStudioで編集したものにメタデータを挿入
さきほど編集した動画は、YouTubeの360度動画に対応していませんでした。
しかし、YouTubeのヘルプを見ると
Mac または Windows 用の 360 Video Metadataというアプリを使えば、動画ファイルにYouTubeで360度動画を表示するための特定のメタデータを含めることができるとのこと。
360 度動画のアップロード - YouTube ヘルプ
https://support.google.com/youtube/answer/6178631?hl=ja
https://support.google.com/youtube/answer/6178631?hl=ja
そこで、そのアプリを使い、360度動画のメタデータを挿入してアップした。
ちゃんと編集した動画でも360度動画として見ることができる!
⑤Kodak SP360 のYouTube対応360度動画をVideoStudioでクロマキー編集(通常動画と合成)
編集できるということは、クロマキー合成もできるということなので、さっそくやってみた。
まずは、Kodak SP360 で撮影した映像からYouTube対応360度動画を作成し、それをVideoStudio Pro X5という編集ソフトで編集。
通常の動画とクロマキー合成して、さらに、その映像に360度動画のメタデータを挿入してアップ。
通常の平面の動画と合成すると、さすがに変な動画になる。
⑥Kodak SP360 のYouTube対応360度動画をVideoStudioでクロマキー編集(360度動画と合成)
今度は、先ほどと同じように、360度動画とクロマキー合成した。
その映像に360度動画のメタデータを挿入してアップ。
先ほどの動画よりは、ぜんぜん違和感がない。
ただ、動いて撮影した動画と静止した状態で撮影した動画を組み合わせたので、多少おかしな感じがする。また、天井部分がゆがんで、黒い穴が開いているのは、編集したときにサイズが変わっていたのを無理矢理、合成したからだと思う。このあたりは、今後、工夫して編集する必要があるが、クロマキー合成まで使えるのは、大きな発見でした。いろいろと面白い動画を作ることが出来る予感がします。
360度動画のアーカイブについて
それでは、最後にアーカイブについて。
大事な動画ファイルは、もちろんハードディスクなり、クラウドストレージなりに、そのまま保存しておけばいいのだが、最近では、とりあえず撮っておくということも増えてきた。
使わないかもしれないけれど、見ないかもしれないけれど撮っておいた映像というのがけっこうある。特に無料でいくらでも保存できるグーグルフォトが出てからは、可能なら、とりあえず撮影しておくということが増えた。そこで、360度動画でも、とりあえず撮影した映像を保存する場所としては、やはり無料でいくらでも保存できるグーグルフォトを使いたい。
ただ、グーグルフォトは、まだ、360度動画には対応していないので、どのタイプのファイルをアップしても、グルグルして見ることはできない。また、無料・無制限プランだと、ほとんど人間の目にはわからないくらいだが圧縮される。でも、他の映像でも気にならないので、とりあえず映像を保存しておくための場所としては、それでも十分ではないかと思う。
そうすると、とりあえず撮影したものは、グーグルフォトに入れておいて、見る時にダウンロード、YouTube形式に変換し、必要があれば編集もして、YouTube上で見たり、共有したりという形になる。
ただ、それだとグルグルして見られるまでに非常に時間がかかるとこになるので、そもそも見る予定があるなら、グーグルフォトに入れるよりは、とりあえずYouTube形式までは変換しておいて、YouTubeに非公開や限定公開で保存しておくというのもいいかもしれない。あとで使いやすいように、同時にグーグルフォトに入れておくというのも良いだろう。
YouTube形式への変換に、非常に時間がかかるというのが、かなり痛いが、映像の必要性に応じて、どのように保存するか判断すれば良いと思う。
ともかく、これで、とりあえず大量に撮影してもなんとかなりそうだ。また、ある程度、編集もできることもわかった。そして、編集したものもYouTubeで共有や公開ができることがわかったので、本格的に、いろいろと撮影してみようと思う。
360度動画の特徴として、撮影できる範囲が広いので、例えば、撮影しようとしている人が映り込むということが起きる。自撮りが流行っているご時世ではあるけれども、それでも自分が映ることが苦手な人が多いことも事実。この辺のことも、360度動画の普及に、これから影響が出てくるのではないかと思っているが、とりあえず簡単に編集できることがわかったので良かった。でも、自撮りに慣れている若い人は、こんな事は全く気にしないのだろうか。
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(2016/03/30 追記)
360度動画、面白いですね!その可能性に、完全にはまっています。
ブログにいただいた質問への回答を共有します。
◎360度動画同士のクロマキーは、編集ソフトが必要?
シータ動画をiMovieで試したところ読み込めなかったとのこと。
一応、ウィンドウズ用の編集ソフトを使っているのですが、特別なものではありません。YouTube用に変換した動画をそのまま読み込んで編集しています。マックのiMovieにも特に問題なく読み込めました。シータの動画形式がどういうものか使っていないので、よくわからないのですが、YouTubeに上げる最終段階のものは、特別なファイル形式ではないと思うので、それは、読み込めると思うのですが。その辺、実際にどういうファイルなのかわからないので、もし必要だったら、いちど、見せてください。
◎SP360は、動画撮影しながらリアルタイムでモニターできるのか?
リアルタイムでのモニターは一応できます。
細かな挙動がわからなかったので、いちおう実機を使って確認してみました。
iPhoneの場合、専用のアプリがありますので、それを入れると、Wi-Fiを使って本体と接続できます。そうすると、iPhoneアプリからのコントロールが可能になり、いろいろな表示方法で表示して見ることができます。もちろん、ぐるぐる動かすこともできます。そして、表示方法を選択した状態で、録画を始められます。録画を始めると、その表示モードのままになります。録画中の表示モードの切り替えはできないようです。もちろん、ぐるぐる動かすことも出来ます。ただ、一番よく見る天球をぐるぐる回しながら見るモードだと、勝手に横方向にまわってしまいます。パソコンのアプリでは、この「ローテーションの方向と速度」を切り替えたり、止めたり出来る機能があるのですが、iPhoneのアプリには、この機能がないように思います。ただ、指で押さえると、止めたり、別の方向を見ることはできます。また、Wi-Fiでの接続になりますので、スマホ側の表示は、かなり荒い画像です。録画データ自体は、本体のマイクロSDに保存されているので、そちらは、もちろん綺麗です。また、このアプリ自体が、使っているときに、かなりメモリを消費するようで、私の、古いiPhone5sだと、メモリ不足で固まったりすることがあります。この辺は、最新のiPhoneだと起こりにくいのかと思いますが、実際に試していないので、どこまで安定するかはやってみないとわからないです。
また、同様のアプリがパソコン用のもあります。こちらの場合も、リアルタイムのモニターは、Wi-Fi接続が必要です。ところがWindowsのパソコンだと、うまく繋がりません。パソコン側のIPを固定すると繋がるという情報もありましたが、私のパソコンでは、IPを固定しても、ファイヤーウォールを切っても、Wi-Fiには繋がるのですが、ソフトからSP360に繋がりません。
参考にさせていただきました。(このブログ非常に参考になります。)
Wi-Fi接続でPCアプリから撮影するRemote Viewfinder- Kodak PIXPRO SP360レビュー(10)
【参考情報】 無線LAN端末のIPアドレスを固定したい
https://121ware.com/aterm/regist/qa/qa/00244.asp
https://121ware.com/aterm/regist/qa/qa/00244.asp
そこで、マックでやってみたら、あっさりとつながりました。パソコンからのリアルタイムモニターも、できることは、ほぼiPhoneアプリと同じです。ただ、横方向のローテーションを止めることができます。普通にぐるぐる動かせるようになります。また、パソコン版でもWi-Fi接続なので、画質は悪いです。また、ソフトの中の画面上での表示で、全画面表示はできません。
また、録画したデータを見るのにも、このソフトは使えます。その場合は、USB接続ができるので、綺麗な映像で見られますし、全画面表示もできます。
このへんのイメージは、SP360の説明書が公開されていますので、それも参考にしていただけたらと思います。
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